第38章 飽和
「ボクたち知ってるんだよ……? 瑞が陰間のみんなと関係を持ってること」
密やかに言うと、瑞は分かりやすく顔を赤く染める。
「あ……あの……」
言葉に迷う瑞を優しく見つめ、桜は首を振る。
「ううん、責める気はないの。そうじゃなくて、瑞がみんなの性の捌け口にされてたことを何にも知らなかったから」
桜は思い詰めたように俯く。
「桜さん……」
瑞はじんとする一方で、藤は白けた表情で見ている。
「よく頑張ったね。嫌な思いはしなかった……?」
桜は潤んだ目を作る。
瑞はキラキラと澄んだ瞳に見つめられ、
「……桜さん、そんなに心配していてくれたなんて」
「うん……だから、今日はボクが瑞をたーくさん可愛がってあげる……」
桜は頷き、瑞の顎に手を添える。
軽く両目を閉じ、驚いた顔の瑞に顔を寄せる。
「え、あ……っ!」
ちゅっと唇を重ね合わせた。
小振りでふっくらとした感触が触れ、瑞は息を飲む。
桜は微笑み、優しく瑞の頭を撫でた。
「瑞は何にもしなくていいからね? ボクに任せて」
「で……も……」
「いいのいいの。ほら、おいでっ?」
桜はその場に正座すると、太ももの上を叩いた。
「膝枕してあげる。優しく甘やかしてあげるからね? 瑞が望むならそれ以上のことだって……」
襟を開き、ちらりと白い胸元を覗かせる。