第37章 天上天下唯我独尊
菊はくふっと笑いを零し、一糸まとわぬ姿の睡蓮と、表情を蕩けさせる瑞を見つめる。
「瑞さん……梅が見たらガッカリの光景だネ」
「えええ!?」
瑞は自分に片思い中の彼の名前を出され、驚きが隠せない様子で叫ぶ。
菊はお面越しに笑みを浮かべ、意味深に言う。
「バラされたくなければ」
「なければ?」
瑞が訊ねると、
「菊も混ぜてヨ!」
菊は瑞に飛びついた。
瑞は半分呆れたように菊を見る。
「……最初からそう言えばいいじゃないですか」
「ふフ」
無垢に笑う菊を見遣り、彼の真っ黒な小袖に手を伸ばした。
ゆっくりと下向きに撫で付け、帯の下に手を差し込む。
「んン……」
菊は気持ち良さそうに声を漏らし、ピクッと身体を跳ねさせる。
瑞の手に縋るように、へこっと腰を上下させた。
瑞は眉尻を下げ、困り顔をしつつも頬を染める。
無意識に呼吸を荒くしながら、下着越しに菊のモノを摘んだ。