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影の花

第36章 物々交換


「えっ……あ、あー……それはやな……俺のは皮が剥けてて……」

よく分からない様子で小首を傾げる菫。

竜胆は返答に迷いながら、耳まで真っ赤にする。

「せやから……こ、こう……」

赤く膨れた先端の根元をぐにっと摘む。

引き下ろした皮を指先で挟み込み、引っ張り上げた。

括れを隠すように皮で包み、かあと顔を染める。

菫は笑顔で頷く。

「ほんとだ! ぼくのと同じですね!」

「う、うぅ〜……こんなん死んだ方がマシやあ……」

竜胆はぐすっと涙ぐむ。

瑞はオロオロしながら言う。

「で、でも竜胆さん、萎えていませんね。案外こういうのが好きだったりして……」

「何言うてんねん! 兄やんのアホ!」

竜胆は半泣きで言い、項垂れる。

瑞に言われた通りまだ硬さを保ったままのモノを握りしめ、手を前後する。

僅かに呼吸を荒くしながら、菫に視線をやる。

「それで、さっき言うた通りにやるだけや……っ」

瑞の顔にも熱が籠る。

余裕なさげに息を零す竜胆の顔が色っぽく、唾を飲む。

竜胆は半裸の瑞に視線をやり、竿をビクンと跳ねさせる。

「う、うッ……!」

強めに握り込み、切っ先から熱い白濁液を迸らせた。
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