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影の花

第36章 物々交換


見蕩れていた竜胆はハッとして菫に顔を向ける。

「ど、どないや菫くん! 興奮してきたか?」

「は、はい……段々、大きくなってきました……」

菫はこくんと頷き、疼く下半身を手で抑える。

手のひらの下では、言葉通りむくっと竿が起き上がり、熱を集めていた。

布地を突っ張らせる硬い感触に、かあっと赤くなりながら膝を擦り合わせる。

はあはあと息を零して瑞を見つめ、ふと竜胆の方に視線をやった。

竜胆はソワソワと視線を泳がせ、落ち着かない顔で片膝を立てた。

上がった裾から覗く褌の袋は大きく膨らんでいた。

「あ……竜胆お兄さんも大きくなってます」

菫は見たままにぽつりと呟く。

竜胆は赤面して手で覆うも、

「へっ!? あっ、これはやな……!」

「さっき、竜胆お兄さん、ぼくにやり方を教えてくれるって言ってました」

菫はきらきらとした目で見上げる。

「そこからどうすればいいか、やって見せてくださいっ」

「いやいやいや……流石にそれは……!」

そこで、黙って見ていた瑞が口を挟む。

「……手伝ってあげるんじゃなかったんですか? 私もここまでやってるんですから、協力してあげましょうよ、竜胆さん」

楽しげに笑い、竜胆の肩に手を置いた。
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