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影の花

第35章 サンドリヨン


「瑞さん……」

「ふえ……? ああ……昼顔さん……」

瑞はとろんと濁った目で昼顔を見上げる。

「僕、可愛いですか……?」

瑞はふにゃっと笑って頷く。

「とっても可愛いですよ」

昼顔は感極まり、勢いよく瑞に飛びついた。

「瑞さんッ!」

「うわああッ!」

小柄な昼顔とは言え、身体はしっかりと出来上がっている。

馬乗りになられた瑞は短く叫ぶも、昼顔はギラついた目で瑞を見下ろす。

「瑞さぁん……瑞さんも可愛いです……っ」

「そ……それは、どうも……」

ハアハアと瑞に覆いかぶさり、猫の伸びのように上半身を伸ばし尻を高く突き上げる。

瑞にうっとりと見惚れ、愛おしそうに輪郭を撫でる。

「ン……」

瑞の首筋に唇を押し付け、強く吸い付いた。

「い……ッ!? 」

唇を離すと、瑞の肌の上には紅い花が咲く。

昼顔は恍惚とした。

「あは……瑞さんの首に、僕の痕付けちゃいました!」

「ひ……昼顔さッ……」
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