第33章 闇鍋
「ン……」
「瑞さ、ま……気持ちいいですか……?」
菖蒲に上目に訊ねられた瑞は、微笑んで頭を撫でた。
「気持ち良いですよ」
優しく頭を撫でられ、菖蒲は多幸感に包まれる。
「は……ぁ」
夢中で吸い付き、じゅぽじゅぽと音を立てて律動を繰り返す。
「ン……っ、菖蒲さん……っ、私、そろそろ……」
「ふぅっ、む……」
瑞の余裕なさげな声に、菖蒲は上を向く。
ぢゅうっと一層強く吸い上げ、
「う……!」
瑞の精を搾り取った。
「ぅ、んん……っ」
菖蒲は口内に吐き出される白濁液を舌で受け止め、奥歯で噛む。
瑞が止める間もなく飲み込み、
「んぁ……」
空になった口を開いて見せる。
「あっ……菖蒲さん……」
瑞が赤面していると、菖蒲は床に這いつくばる。
瑞の脚に舌を這わせ、飛び散ったいちぶのりを舐め始めた。
「ちょっ!?」
「……大丈夫、全部食べられるやつだから……」
菖蒲は視線を上げ、口角を上げる。
「そ、それはそうかもしれませんが……」
瑞は躊躇無く指の股に舌を突っ込む菖蒲を見下ろす。
自分もいつかここまでの境地に達するのだろうかと思うと、言い知れぬ不安と無自覚な期待を覚えていた。