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影の花

第29章 番


「おっ、うぅ! ああっ! 瑞さぁん……!」

その間も両手はしこしこと上下に動き、二人に快感を与え続ける。

左右に握った切っ先を舌に擦り合わせ、舐め回すように舌先を揺らした。

「あっ! おれ、おれもうダメっす……! いくいくいくッ!」

「あぁ、あかん、うちも、うちもイク……!」

二人は甘い声を跳ね上げ、瑞の手に導かれる。

大きく体を震わせながら、瑞の顔に精を浴びせた。

「ンっ……」

瑞はぴくんと眉を跳ねさせ、薄目を開く。

顔にベタベタと絡み付く二人分の白濁に頬を赤らめ、眉を物憂げに潜めた。

「は、あっ……? あぁあああッ! 瑞さんっ、すすすみませんッ!」

狼狽える桔梗を尻目に、鈴蘭はほくそ笑む。

「桔梗、謝らんでええで……あんたはうちの見立て通りの淫乱や! 誰でもええんやろっ」

「う……そん、な……」

瑞は荒く息を零しながら、ぼんやりと二人を見上げる。

とろんと微睡んだ瞳、紅潮した頬、体液で濡れた唇。

髪顔は自分たちの欲望で汚され、髪は乱れている。

その色っぽさに二人はごくんと生唾を飲み、出したばかりの逸物に血を集める。

「……誰でもええなら、うちでええやろ……なあ、あんたの秘密をバラされとうなかったら、これからも言うことを」

「お前ら何やってんのお?」

平坦な調子の声を振り返ると、百合が三人を見下ろすように立っていた。
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