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影の花

第27章 変化


「いやいやあっ! あの、藤さんッ! 何故こんな流れに! 緩急が……!」

「確かに、皆の言う通りだ。瑞さんてとっても可愛い顔してる。本気で泣かせたくなっちゃうね」

「ちょっとおおお!」

瑞は必死に服を抑え、ひーひーと泣き喚く。

そのとき、音を立てて障子が開いた。

「やあ! 何かお困りのようだね」

瑞は目を潤ませた。

着崩れた服を手で隠しながら、彼の元に逃げる。

「れ……蓮華さあぁん」

藤は眉間に皺を作った。

「……厄介な人が来たなあ」

蓮華は瑞を優しく受け止め、にこりと微笑む。

よしよしと瑞の髪を撫でながら、首を傾げた。

「こんなに怯えて。どうしたのかい」

「こここ困ってます……! 悩みが二つッ!」

「はて、どちらから解決すれば良いかな」

「藤さんを何とかしてください……」

瑞はぐすっとしゃくりあげた。

藤は大きく息を吐く。

「……分かったよ。流石に蓮華さんには適わないからね」

「はい、一つ目のお悩み解決。二つ目のお悩みは何かな?」

瑞は弱々しく頷き、

「萩さんの事なんですが……」

話し始めた。
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