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影の花

第25章 逆襲の下僕たち


「はっ、あ、あぁッ、あっ、あっ、あァ〜ッ!」

「菖蒲お前変な声上げてんじゃねえよ!」

「痛いっ」

夕顔は顔を真っ赤にして立ち上がり、瑞の頭を引っぱたいた。

瑞の足が離れ、菖蒲は身体中火照らせながらクタッと脱力する。

ピクピクと痙攣する菖蒲に、竜胆は眉間を顰める。

瑞に踏みつけられていた部分は硬く大きく突っ張り、目つきも口元も緩みきっている。

口端からは涎が垂れていた。

「菖蒲くんビンビンやんけ……」

感嘆する竜胆を置き、夕顔は瑞に詰め寄る。

「てめぇもノリノリでやってんじゃねえよ! いつまで踏んでんだ!」

「いやいやっ、誰も止めてくれなかったので……!」

「自分で止めろや!」

ギャーギャーと言い争う二人の手に握られた箸が取られる。

はっと振り向くと、

「はい回収ぅ〜」

百合がニッコリと笑っていた。

「じゃ、次行こっかあ」

「ま、まだするんですか?」

「当ったり前じゃーん。まだ二回しかやってねえんだよお?」

「でももう色んな意味でおなかいっぱいな感じが……」

「殿様だ〜れだあ」

百合の有無を言わさない迫力での掛け声に、四人は我先にと箸を掴んだ。
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