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影の花

第22章 雌雄を決さない


蘭たちと別れた牡丹が歩いていると、縁側に寝転がった菫と朝顔が目に止まった。

二人ともすやすやと眠りこけている。

二人の寝顔をじっと見下ろしていると、

「あ、牡丹さん。今さっきまでみんなで遊んでいたんですけどね。寝ちゃいました」

瑞が顔を出した。

牡丹は縁側に腰を下ろし、瑞もその隣に座る。

「瑞が遊んでやってたのか」

「ええ。お馬さんごっこというのはなかなか疲れますね……」

瑞は自分の腰を叩きながら、苦笑いした。

「……こいつらもデカくなったからな」

牡丹は頷き、朝顔の頬を指先でぷにぷにと触る。

菫の頭もくしゃっと撫で、目を細めた。

「牡丹さんは子供が好きなんですか?」

「ん……まあ、可愛い」

ボソリと答える牡丹に、瑞も微笑む。

牡丹は二人から視線を瑞にやり、

「瑞は男が好きなのか?」

真顔で訊ねた。

「ぶっ!?」

唐突な質問に瑞は噴き出す。
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