【チェンソーマン】民間デビルハンターはヒロフミくんに愛される
第2章 これが私の戦い方
……いや、OKの返事をした事について後悔はない。
通学路でどうするか考えていた時の私は、どちらかというと組むのに肯定的だったから。
まぁ問題は、その返事を教室でしちゃった事なんだけれど。しかも、多分皆聞いてたし!
そのせいで、私は休み時間になる度に色んな人から質問攻めにされていた。
好奇心を向けられる側になるのは、こんなにも大変な事なのかと思い知らされる。
私はデビルハンターである事は、出来るだけ周りに言いたくない。
……しかし。
「名前ちゃん、吉田くんと何かあったの?」
次は理科室で授業だからそこへ向かっているのだけれど、もう何度目かも分からない質問を友達にされた。
デビルハンターなのを白状はしなくない。
でも、良い言い訳も思いつかない。
私はどうしようもない状況に泣きそうになりつつ、
「何でもないよ……?」
と答えた。
聞かれたらこうやって毎回答えているだけでも褒めてほしい。
心の中でハンカチを握りしめつつ会話をしていると、肩を叩かれた。
「よ、吉田くん」
私が質問攻めにされた元凶だ。
立ち止まってじとっと湿度の高い視線を向けるが、彼には効いていないようだ。
吉田くんは爽やかな笑顔を浮かべながら、私の耳元に近寄る。
「今日の帰り、パトロールしよう。放課後教室に残ってて」
彼はそれだけ言い、理科室へと向かっていった。
取り残された私と友達。
「今の何!?」
キラキラと輝いた表情を浮かべた友達の追求から逃れるのには随分と時間がかかり、授業が始まる頃には私はぐったりと疲れていたのであった。