【チェンソーマン】民間デビルハンターはヒロフミくんに愛される
第2章 これが私の戦い方
休み時間。教科書をカバンにしまっていると、机の上に手が添えられたのが分かった。
顔を上げて手の持ち主を見ると、そこには吉田くんが。
「昨日の返事、考えてくれた?」
一瞬、嘘みたいに教室が静まり返った。こんな風になるって事は、きっと皆、彼の声が聞こえたのだろう。
皆顔には出さないけれど、私の返事とやらを聞こうとしているのが分かる。
今の教室には、誰かの声に耳を傾けている時特有の、独特の雰囲気が流れていた。
……それ、今聞く?
声に出すのは何とか堪える事が出来たけれど、もしかしたら顔には出てたかもしれない。
吉田くんが私に何か言って、その返事をもらいたそうにしている。
中々ないその状況、早くこの場から逃れたくて、
「……よ、よろしくお願いします」
気がついたら、私はそう返事をしていた。