【チェンソーマン】民間デビルハンターはヒロフミくんに愛される
第2章 これが私の戦い方
あの件、どうしようか。
通学路を歩きながら考える。
昨日、吉田くんから組まないかと誘われた。
特に断る理由はないけれど、誰かと組んだ事なんてないから不安はある。
「ぼーっとしてるね、大丈夫?」
「え?ㅤあぁ、組む組まないの件について考えてて……えっ!?」
つい口走ってしまった。慌てて横を向くと、にこりと微笑んでいる吉田くんがいた。
「おはよう」
「お、おはよ……」
通学路なんだから人がいるなんて当たり前だ。だけど、考え事をしていた私にはその当たり前が抜けていた。
突然声をかけられた事でバクバクしだした心臓を押さえながら、私は吉田くんの隣に並ぶ。
「周りにバレたくないなら、もう少し気をつけた方がいいんじゃない?」
「……それは、そうだね」
何も言い返せなかった。
何でポロッと喋っちゃんたんだと頭を抱える私を見て、彼はくすりと笑う。
彼が笑う瞬間をバッチリ見てしまった私は、心臓がさっきとは違う理由でうるさくなったのが分かってしまった。
「えっと、わ、私先行くね!」
何だか二人で登校しているこの状況に耐えられなくなり、私は学校へ駆け出した。