【チェンソーマン】民間デビルハンターはヒロフミくんに愛される
第3章 隣同士の理科室
採取係は、古い細胞をとるために口をゆすぐ。
理科室には机の隣に洗面器のようなものがあり、蛇口を持ち上げる事で水が使える。
この工程が終わったら、ついにメインイベントがやって来る。
指先で頬を擦るのだ。私の頃は綿棒を使ったんだけど、今回は使わないらしい。……指でやるの?
「苗字さんがやる?」
口をゆすいだ吉田くんは、そう言ってから口を開けた。
「やらない……」
それはどういう冗談なんだ。いきなり出されたボケ(?)に困惑してしまい、面白い返しが出来なかった。
「爪で引っ掻いたりしなくてもちゃんと採取出来るので、擦る時は優しくしてくださいねー」
やけにふんわりした口調の先生の指示を聞き、採取係は口の中に指を入れる。
それは吉田くんも例外ではなく、彼の指が口に入っていった。
うわ、何か色っぽいな……。
何だか見てはいけない気がして、私は目を逸らした。