【チェンソーマン】民間デビルハンターはヒロフミくんに愛される
第3章 隣同士の理科室
「はい、班で一つずつ顕微鏡持ってきてください! あとこの箱も持っていって!」
ざわつく教室に自身の声が届くように、先生は声を張り上げた。
横三人で一班だ。つまり、一つの机に二つの班が存在する事になる。
皆、しぶしぶ顕微鏡を取りに行った。
私も行かないとな、思っていると、
「俺行くよ」
と言いながら、私が立ち上がるよりも先に吉田くんが棚へ向かった。
彼は顕微鏡を手に持ち戻ってくる。
「ありがとう」
しっかりお礼は言わないといけない。
よし、私は箱を持ってくるか。
先生の近くにある大きな机の上には、確かに箱が置かれていた。
中を見てみると、スライドガラスや酢酸カーミンが入っている。
そんなに重くないから余裕で運べる。
席についてからもう一度箱の中身を眺めていると、先生が指示を出し始めた。
「じゃあ、班の中で誰か一人、細胞を採取する人を決めてください」
言われた事を理解した時、思わず顔を顰めてしまった。
この実験は、肌を出すだとかとは違うタイプの恥ずかしさがある。
私は中学時代にじゃんけんで負けて採取係になったのだが、班のメンバーに見守られつつ細胞を採取するのは恥ずかしかった。あと居心地が悪い。出来れば見ないでほしかった。