【チェンソーマン】民間デビルハンターはヒロフミくんに愛される
第3章 隣同士の理科室
季節は夏だからか、理科室の扉は閉じられていた。
私は音を立てながら扉を開く。この音がなかなかにデカい。
私と吉田くんは、既に理科室にいるクラスメイトからの視線を一身に浴びた。
あんまり見ないで……!
大勢から浴びる視線は、なかなかどうしてしんどいものがある。注目される事に慣れていないからだろう。
突っ立っている私の様子が少しおかしい事に気がついたのか、吉田くんは、
「大丈夫?」
と言ってくれた。
「だ、大丈夫」
視線を集めたのはあくまでも一瞬の事だ。気持ちも落ち着いたから、もう大丈夫。
私は理科室の中まで歩き、その後を扉を閉めてから吉田くんが続いた。
理科室の中を見渡して見ると、もう全員席についている事が分かった。チャイムが鳴るまであと二分くらいだから、そりゃそうだという話ではある。