【チェンソーマン】民間デビルハンターはヒロフミくんに愛される
第3章 隣同士の理科室
「そうなんだ」
会話が終わる。教室は沈黙に包まれた。
若干の居心地の悪さはあるが、吉田くんとは初日だけで終わらず定期的にパトロールを行っていて、世間話とかもしている仲だ。何も会話がなかったとしても、そこまで気にしなくていいはず……。
私がそんな事を考えている間に吉田くんは自分の席に行き、何やら机の中をごそごそと漁っていた。
取り出したのは教科書。なかなかデカめの忘れ物である。
実験の日に教科書を使うかは怪しいところだけど、持っていないと何となく不安になるのは分かる。私も取りあえず持っていっておくタイプだし。
「行こうか」
「うん」
一緒に行こうというお誘いにも、最近はすんなりと頷けるようになった。これも成長だよね。
己の成長を感じにやつきながら廊下を歩いていると、隣を歩く吉田くんに、
「嬉しそうだね」
なんて言われてしまった。