【チェンソーマン】民間デビルハンターはヒロフミくんに愛される
第2章 これが私の戦い方
それからが大変だった。
私たちは割と遠い所まで来ていたようで、帰るのに苦労したのだ。パワーアップした三分間、体感ではあっという間に悪魔に追いついたが、実際はそこそこの距離を移動していたらしい。
近くの駅前まで行って、そこから電車に乗り学校の最寄り駅まで移動。そこから私の家に向かった。
吉田くんのカバンは私の家にあるから、彼もついてきている。
「ただいま……」
家の扉を開ける。
悪魔を二回倒して、屋上から落ちて死にかけた。濃密すぎる一日を過ごしたからか、どっと疲れが押し寄せていた。
自分の部屋に行き刀を置いてから、吉田くんのカバンを手に取る。
吉田くんのカバンを渡すまでがパトロールだ。家に帰るまでが遠足って言うし、間違ってはいないはず。多分。
私はぱたぱたとエレベーターまで走り、吉田くんの元へと急ぐ。
吉田くんは、通路の端に立っていた。
「今日はお疲れ様!……それと、助けてくれてありがとう」
私は吉田くんにカバンを渡す。
吉田くんはカバンを受け取りながら、
「どういたしまして」
と言った。
もうすっかり日は落ちている。
夕日を背にする吉田くんは、とても綺麗だった。