【チェンソーマン】民間デビルハンターはヒロフミくんに愛される
第2章 これが私の戦い方
「お待たせ!」
マンションの下で待ってくれていた吉田くんと合流する。彼は私の姿に気がつくと、軽く手を振ってくれた。
「行こうか」
吉田くんが歩き出す。どこに行くんだろう。そう思いながら私は、彼のあとをついて行った。
「行くってどこに?」
吉田くんの背中に問いかけると、彼は振り返った。
「決めてない」
彼は笑みを浮かべてそう言う。
まぁ私たちは仕事でやってるわけじゃないから、パトロールの範囲を指定されてはいない。私もいつも何となくで歩いてたし。
「じゃあ、取りあえず道なりに進もうか──」
私がそう口にした時。
「きゃあ!」
前方から女性の悲鳴があがると同時に、大きな音が聞こえてきた。
目を凝らしてみると、どう見ても人間ではない何かがいるのが分かる。悪魔だ。
そいつは女性に手を伸ばしており……。
「五分後までにあいつを倒す」
私は地面を蹴りながら、素早く刀を抜いた。
女性と悪魔の間の隙間に入り込み斬り掛かろうとした時、目の前に蛸の足が現れた。
蛸の足は、悪魔の腕を切断する。
「──え」
いや、驚いている場合ではない。
悪魔が怯んだ瞬間を逃さず、私は悪魔を真っ二つにした。
倒れた悪魔は動かなくなった。倒せたという事だろう。
「大丈夫ですか?」
「は、はい……」
女性は腰を抜かしてしまったようで、ぺたんと地面に座り込んでいた。
私は女性に手を伸ばし、立ち上がるのを手伝う。
「ありがとうございました……!」
お礼を言い去っていった女性に手を振る。
突然目の前に現れた蛸の足。
そういえば吉田くんが契約しているのは、蛸の悪魔だったっけ。
もしかして……。