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【OP】さよなら、My Dear

第7章 おまけ


『……"グローイング"』
そのままロシナンテの表皮にアメーバを増殖させていく。
「ッ……!? マルー、何を……ウッ」
「うわーー! お前ェ、コラさんに何すんだ!!」
苦しそうに呻くロシナンテを見て焦ったローがマルーを掴んで揺さぶった。
『待て待て、揺するなクソガキ。傷口を塞いでるだけだから心配するな』
絵面があまり良くないことは自覚しているが、本気で慌てられると何だか悪いことをしているような気分になる。
知らない奴からしたら人間の形をした未知の生物に襲われているようにしか見えないだろう。それぐらい見た目が良くない。
「ハァ、ハァ……マルー、止血ありがとよ」
『何だよ、こんなに撃たれやがって。死んだら只じゃおかんぞ』
悪態でも吐くような口調で言いながら立ち上がる。
「2人は……知り合いなのか?」
ローがマルーとロシナンテを交互に見ながらおずおずと聞いた。
『ああ。ロシナンテと私はかいへ……』
「とッッ友達だ! 友達!」
答えようとするマルーの言葉を焦ったような声でロシナンテは遮る。
『??』
わざとだろうが意図が分からない。聞こうと思い顔を向けるとロシナンテは困ったような表情でマルーに何かしら意味がありそうなアイコンタクトを送ってきた。
意味は不明だがとにかく友達ということで済ませたいらしい。
マルーは不可解ながらも言及せずに、話題を変えることにした。
『……で、目的は達成できたのか?』
たしか悪魔の実を盗んで子供に食わせるのが目的だったはずだ。
成せてないなら代わりに行くか……と腕まくりをしたマルーだが寒さに負けてすぐに袖を直した。
「ああ。バッチリだ」
ピースサインをしながらロシナンテが答える。それを見て、ローが気まずそうに顔を背けた。
悪魔の実はちゃんとローの身体に宿ったみたいだ。
『なら良い。とにかく……すぐにここから逃げるぞ。海賊と海兵に見つかったらマズイ』
マルーは将校コートを脱ぐと、そのままローをくるんで自身の前側に抱えた。アメーバを負ぶい紐のように伸ばして固定する。
「ローを運んでくれるのか。助かる……ッ、うぐ」
塀に掴まり立ちしていたロシナンテが、倒れるように地面に膝を突いた。
『大丈夫か!?』
「へへ、すまねェマルー……お前の顔見たら何だか安心して力抜けちまった」
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