• テキストサイズ

【OP】さよなら、My Dear

第6章 麦わらとハート


なるほど……守るべき民衆が海賊の所へ行き盾になれば海軍は手を出せず、あの瓦礫も空から降ってこないというわけだ。
しかし向かう先には港へ続く階段があるはずなのに、国土を覆う岩壁ごと消し飛ばされたのか辺り一帯広い通り道になっている。
誰がこんなことをしたのかは知らないが好都合だ。
目前の海を目指して大勢で駆けていく。
「覚悟しろルーシー!!」
「船を出せ!! 沖まで追うぞ!!」
空に浮かぶ大量の瓦礫に臆することなく、海の上に連結された橋を民衆たちがどんどん進む。
瓦礫の雨が海賊船へ降らないように。この国の恩人を無事に逃がすために。それを海軍に気取られないように。
ルフィたちの盾になろうと一丸となった国民が海賊を追い掛けていく。
「……!? ガレキが……!!」
突如、全ての瓦礫が海の向こうへ落ちていった。この先にいくつもの海賊団の船が停泊してあるというのに。
「そんな! ルーシー達はどうなった?!」
霧立った海上をよく見ると、あれだけ大量の瓦礫が落ちたというのに海賊船はどれも無事だった。
その更に先へ瓦礫は落とされたようだ。
「大丈夫そうだ!!」
「ええっ! 狙いが外れたのか?」
「何にせよ良かったーー!!」
頭上にあった瓦礫が消え、ドレスローザを救った海賊たちが無傷なのを確認した民衆たちが雄叫びを上げて喜ぶ。
『じゃあな……麦わらの一味、トラファルガー・ロー』
安心した。ドレスローザから出航する海賊船を見守りながら、マルーは元来た道を歩いていく。
港の入口まで到着すると、ゴリラに乗ったセンゴクがマルーを見るや手を振った。
『センゴク大目付……!』
更地になった地面を蹴って、急いでセンゴクの元へと走って戻る。
『命令に背いてしまい申し訳ありません。罰は何でも受け入れる所存です』
「ハァ……無事で何よりだ。怪我はないか?」
センゴクは呆れたような、ほっとしたような微妙な顔でマルーに言葉をかけた。
『ありません。市民たちもみんな無事です』
2人と1頭で海軍テントへ向かいながら話を続ける。
「そうかそうか……ああ、さっき言っていた「他の謝りたいこと」とは何のことだ?」
『あ……そ、それは……』
マルーは口ごもった。どうせ死ぬと思っていたから、その場のノリで言ってしまった。
秘密にしても良かったが、この際正直に話した方が良いだろう。
/ 103ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp