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【OP】さよなら、My Dear

第6章 麦わらとハート


海軍の誰かの能力なんだろう。港に集まった海賊を一網打尽どころか船ごと全滅させてしまえる程の脅威が東の空を覆い、今や太陽の光すら遮っている。
センゴクが中心街へ向けて歩き出すのをマルーが立ち止まったまま見つめた。
『……恩があるんです。ドフラミンゴが倒されたあの日、たくさんの海賊のおかげで私は恨みを晴らすことができました。トラファルガー・ローは私の命を助けてくれました。麦わらの一味はドンキホーテファミリーの支配から解放してくれました。ルフィは……私の友人の仇を討ってくれました! 海賊の肩を持つなんて海兵失格だって分かってますが……み、見殺しにしたくなくて……!』
振り返って見下ろすセンゴクに怯みながらもマルーが訴える。
「そうか……だがやはり行くな。お前が行ったところで状況は変わらない。こんなことで命を無駄にするな」
正論すぎる。しかし、どうしてもこのまま海軍に戻りたくない。
死を覚悟して港へ行くか……安全な海軍テントで遠巻きに死屍累々を眺めるか……。
『ごめんなさいセンゴク大目付!! 私やっぱり行きます!』
「あ……おい、待ちなさい!」
港の方へ歩を進めていたマルーがセンゴクの制止に一旦振り返る。
『生きて戻れたら他にも謝りたいことがあります! またお会いできたら嬉しいです……! では!!』
そう言うと、ローの走って行った方角を目指して駆け出した。
あっという間に走り去っていく部下を見て、センゴクは伸ばした手を下げながら溜め息を吐く。
「マルー中佐……お前もか」
中心街に向かっていた足を止め、東の方へ消えていく小さな背中を見守った。
『ハァ……ハァ……! 緊張した……!』
心臓のドキドキを手で押さえながらマルーが港へ向けて走る。
ローは確かこっちへ行っていたはずだ。今度は辿り着けるだろう。
少し行くと、中心街の方からたくさんの民衆が走ってくるのが見えた。
『え……何?!』
みんなもどうやら港に向かっているようだ。付いて行けば目的の港に着くだろう。マルーも群れに紛れて走ることにした。
「待て~~~!! ルーシー!!!」
どうやらみんなルフィを追いかけているらしい。
皆ルーシーに恨みを持っているようなことを言っているが、どうやらどれも演技のようで顔や声が笑っている。
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