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【OP】さよなら、My Dear

第6章 麦わらとハート


「おれはあの人から「命」も「心」も貰った!! 大恩人だ!! だから彼に代わってドフラミンゴを討つ為だけに生きてきた!!!」
『(うそ……橋渡るときに聞いたドフラミンゴに殺された大事な人ってロシナンテのことだったの……?)』
奇しくも同じ人間を想っていたみたいだ。
シンパシーを感じつつマルーは続けて2人を見守る。
「――だがこれがコラさんの望む"D"の生き方なのかわからねェ。"麦わら"と同じように……おれにもその隠し名がある……! あんたは"D"について何か知ってんじゃねェか?」
「…………さァな。だが少なくともロシナンテは何も知らない筈だ。――つまりその為にお前を助けたわけじゃない。受けた愛に理由などつけるな!!」
静かだが重みのある声でセンゴクがローに言う。
『(ロシナンテ……)』
盗み見た資料からでは得られなかった関係性を知ることができた。
そうか……アイツがあんな安らかな表情で死んでたのは、きっと自分のやったことに満足してたからなんだろう。自身は殺されたとしても、助けたい命を救えたから……。
『(バカ……たとえどんな酷い目に遭ったとしても生きていてほしかったよ……!)』
お前の自己犠牲は美しいが、遺された奴の気持ちも少しは考えろ。
ローもセンゴクも、マルーもみんなロシナンテの死を悲しんでいる。
『(やいロシナンテ!! 黄泉の国から見てるか!!? 13年前にお前が死んじゃったせいで3人も未だに悲しんでるぞ!!)』
涙と青筋を浮かべながらマルーがやり場のないムカつきを天に向けて心のなかで叫んでいると、突然辺りの瓦礫が独りでに動き出した。
大きな振動と音と共に、無数の瓦礫は重力に逆らい空へ飛んでいく。
『うわ……!!?』
ローとセンゴクも少し驚いている。一体何が起きているんだろう。
呆気に取られて空を見上げていると、やがて国中の瓦礫が東の港に向けて集まっていく様子が見てとれた。
誰かの能力だろうか。
しかし瓦礫を空へ浮かせて海賊の屯しているここへ持って来たということは……あとは落とすだけ、という可能性が高い。
こんな時に瓦礫の撤去をしてあげているなんてこともないだろうし……こんなのが頭上から落ちてきたら絶体絶命だ。
誰がどう頑張ろうとみんな死ぬ。
『……!』
ローがどこかへ走り出した。港へ向かうのだろうか?
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