第6章 麦わらとハート
「だってさっき、トレーボルの攻撃から身体を張って私を守ってくれたじゃない。マルーのこと信じるわ」
意地悪を言ってごめんなさい、とロビンが優しい口調で付け加える。
『いいんだ。アンタに罵られたって振り落とされたって文句言えない立場だし……。でも信じてくれてありがとう。』
試されたんだろうか。からかわれたんだろうか。ロビンの問いかけに翻弄されたマルーは安堵の溜め息を吐きながらも多少の罪悪感を覚えた。
『それに今は海軍には戻らないよ。あっち側に付いたらもうロビンたちの味方では居られなくなる。そんな状況にはなりたくない』
七武海の肩を持つ海軍よりもドフラミンゴを打倒しようとしている海賊の方が自分の目的に合っているし、何より地獄から救ってもらった恩を返したい。
海賊たちに加担してドフラミンゴを倒す。自分で直接手を下せなくとも、ロシナンテの仇を討つことが達成されるなら何だって協力する。
それに本部中佐とはいえ8年も前から居なかったんだ。オモチャ化がなくとも忘れてる奴は多いだろう。きっと私の空席にも既に別の奴が腰を据えているはずだ。
マルーは少し悔しさを感じながら視線を地上から目の前の石像に移した。
ピーカが巨大な石像に入って今まさに誰かと戦っている。緑の頭と黒スーツ、二刀流……1人でドンキホーテファミリーの最高幹部と戦っているみたいだ。
「お前ら!! 何で空飛んでんだ!?」
飛んできているこちらに気付いてそう叫んでいる。
「ゾ、ゾロ先輩だべ~~!!」
「ゾロ! 敵を止めておいて! 私達この石像の向こう側に用があるの!!」
2人は緑の男のことを知っているらしい。石像の腕が動いたのを見計らってか、ゾロと呼ばれたその男が刀を口に咥えた。
ピーカの操る石像の巨大な拳が飛んでいる自分たちに迫ってくる。
「"三刀流"」
避けられないし防げない。打つ手無しだ。
「"千八十煩悩鳳"!!!」
諦めかけたその時、ゾロの攻撃によって石像の体が大きく切り裂かれた。直後にピーカの断末魔が上がる。
『うわ……すご……』
傍らで冷や汗を浮かべたロビンがほっと息を吐いている。助かってよかった。
「"麦わらの一味"は何も……"麦わらのルフィ"と"ゴッド・ウソップ"だけじゃねェ……忘れるな……! おれはいずれ世界一の"大剣豪"になる男だ!!」
