第6章 麦わらとハート
SOP作戦の一行や天井から落ちてきた数名と共に地下交易港からコロシアム伝いで王の台地に移動したマルーは街の様子を眺めた。
『王宮があんなところまで移動している……』
地形がすっかり変わっている。
ドンキホーテファミリーの幹部であるピーカがイシイシの実の能力で王宮を移動させ、段状の山のようなものを作り上げてしまった。頭部のない巨大な石像も遠くに見える。
今から王の台地にいる数人で、段状の山のところにいる人に手錠の鍵を届けに行くらしい。
ドフラミンゴが企てた"ゲーム"とやらのせいでロビンたちは武器を持った奴らに追われている危険な状況だが、トンタッタ族には比較的安全に向こうへ辿り着く算段があるそうだ。
『危険だろうし、私もついていこう』
「4人れすか……イエローカブが足りないれすね」
『これならどうだ?』
マルーは即座にアメーバの身体を半減させて子供のような見た目になった。
『だいぶ軽くなったこの状態で1人の肩に掴まれば行けるだろう』
移動が済めばすぐに増殖して元の体型に戻れるし何も問題はない。マルーが小さくなったのを見て小人も快く頷いた。
「そうれすね! ニワトリ大人間は大きくて重いれすし、レベッカ様も鎧と剣で重いれすし……ロビランドがいいと思うれす」
『すまないが肩を貸してもらってもいいかな、ロビン?』
「ええ、もちろん」
限界まで軽量化し縮んだマルーをロビンが背負う。
「これ……あなたの?」
ふと切り離したアメーバの中からロビンが何かを取り出した。
見ると、マルーと一緒にオモチャにされていた子電伝虫がいる。連れていた子電伝虫の存在を今思い出したマルーは慌てて手を伸ばした。
『あ……! ありがとう、私のだ。8年ぶりだな……元気か?』
「………」
ロビンから受け取った子電伝虫は特に何も気にしていないような態度でマルーの手のひらに収まった。怪我などがないことを安心してから大事にポケットにしまい込む。
そうしているうちに、すぐにトンタッタが王宮の方へ行くための用意を整えた。
「さあ、このヒモを持つれす! さっそく向こうまで飛ぶれすよ!」
小人が差し出す両手分のヒモの先にはたくさんのカブトムシが括り付けられている。
たくさんといえど、1人分で十数匹だ。とても人間を支えられるようには見えない。