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【OP】さよなら、My Dear

第6章 麦わらとハート


ロシナンテを殺されたこと。その仇討ちができなかったこと。オモチャにされ何年も毎夜働かされたこと。
マルーはこんな国など、ドンキホーテファミリーなどめちゃくちゃになってしまえと長年思い続けていたため、彼らのドフラミンゴ討伐に全力で協力すると心に決めた。


人が這ってやっと通れるくらいの小さいトンネルを小人族に運ばれてまた移動する。
目指すは地下交易港。シュガーという名の少女を気絶させ、彼女の能力でオモチャになってしまった人々を解放するのが目的だ。題してSOP作戦だと。
見慣れた場所だが働く目的で向かっているわけではないのでいつもより気が軽く、そしてひどく萎縮していた。
『ウソッ……ランド、ロビランド。すまない、私は向こうでは役に立てそうにない』
ロビンの背中に乗っているマルーが2人に言う。
「えっ、急にどうしたんだ!?」
『あそこで現場を仕切ってる奴らの命令に逆らえないんだ。もし見つかって「働け」とか「襲え」と言われたらもう抵抗できない。同行することで逆に迷惑になってしまう。港に着いたら身を潜ませてくれ』
助けになりたいのにできない。心苦しいが、ここで出張っては大戦犯になりかねないから大人しくする他ない。
『だ……だが、ウソランドたちがあの小娘を気絶させて私が人間の身体を取り戻した後は必ずや恩に報いろう。ここ一番で何も出来ないのは情けない限りだが、それだけは約束する……』
「ありがとう。きっとあなたを元の姿に戻すから、信じて待っていてね」
不甲斐なさから語調が弱々しくなってしまったマルーにロビンが優しく声をかけた。
『面目ない……ご武運を祈る』
長く続いていたトンネルも終わり、勢いよく飛び出した小人族とウソップが壁に激突する。
その音で監視役が2人寄ってきてしまった。
「お前ら、そこで何をサボっているんだ! さっさと持ち場に戻れ!」
『(しまった……!)』
身体が勝手に歩きだす。ウソップやロビンから離れていく最中、マルーの背後でトンタッタ族が監視役の衣服を奪い地面に埋める音が聞こえた。
「おいマルー、どこ行くんだ?!」
「さっきの命令ってやつね。追い掛けるのはまずいわ」
『(本当に、大丈夫だろうか……)』
のっけから見つかり力技で解決した一行を心配しながら、マルーは荷物運びに加わることとなった。









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