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【OP】さよなら、My Dear

第5章 ドレスローザ


『クソッ、離せ小娘ェ! 何のつもりだ?!』
口だけは動くみたいだ。いや……口を動かしている感覚がない? じゃあ何で喋れているんだ?
マルーは少女にぶら下げられたまま、混乱する頭をフル回転させたが何も分からなかった。
「……んん~~?! おれァ何で燃えてたんだ~?」
先ほどの場所ではトレーボルがしきりに辺りをキョロキョロと見回している。
「何してんのよ。侵入者いたじゃない」
「べへへ。覚えてねェがこりゃソイツの仕業だな? こんなにしてくれやがって……」
覚えてない、という発言にマルーは唖然とする。ついさっきまで対峙していたのに、どうして忘れてしまえるんだ。
「ねぇ、ソレこいつの手帳じゃない? 中身確認しといた方がいいと思う」
少女が床を指差している。
手帳と聞いて、マルーがハッとした。あれは自分のもので、いつの間にかポケットから落ちたのだと気付いた。
『それに触るな!! 返せ!』
「うるさい。黙りなさい」
少女に言われた途端、今度は喋ることすらできなくなった。
『(さっきから何なんだ……? 何にも逆らえない)』
何もできないまま、トレーボルが手帳を拾い上げた。
「ふ~ん……こいつドレスローザとファミリーについて調べてたのか。どれどれ……ほう、前のコラソンのことも書いてあるんねー?」
手帳の内容を確認しながらトレーボルが頷く。
「んねー、んねー。お前何のためにここまで来たんだァ? 前任コラソンを殺したやつが誰なのかなんて知ってどうすんだァ? んねー、海軍本部中佐さんよォ……お前まさか、復讐するためだけにドレスローザまで来てドンキホーテファミリーに噛み付いたのかァ?」
言いながらトレーボルが顔を覗き込んでくる。
何か言い返したいのに、何も口答えができない。さっきも同じようなことがあったのに、今度はさっきよりも救いがないように思えた。
「そうかァ、あの裏切り者の仲間か~……。まあ、どうせお前はもうオモチャだ。最後の慈悲でドフィには言わないどいてやるよ、面倒臭いし」
そう言って、トレーボルは杖の炎で手帳に火を着ける。
『(ああッ、畜生。やめてくれ……!)』
黒く焦げていく手帳を見たマルーは悔しさを感じたがやはり何もできず、そのまま地下交易港という場所まで連れてかれることになった。









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