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【OP】さよなら、My Dear

第5章 ドレスローザ


剣を無視してマルーはディアマンテに更に近付く。
『"グローイング"……"タイダルアメーバ"!』
ディアマンテの膝を踏み台にして高く飛び、空中で一気に増殖したアメーバの身体で、覆い被さるようにディアマンテに向かって勢いよく落下させる。
「切っても切れない身体か! なら……これは耐えきれるか?!」
迎え撃つディアマンテは蛇行する剣を凄まじい速度で振り、マルーを瞬時に細かく切り刻んだ。
アメーバで咽を塞いで窒息させるか、目の粘膜に入って炎症を引き起こし視力を奪えたらと思ってのマルーの攻撃はディアマンテの剣さばきにより妨害された。
小さくなった身体たちがボタボタと地面に落ちていく。しかしそれらはすぐに寄せ集まり、また1人の身体になっていった。
「自然系かと思ったが超人系か。いやアメーバっつったし動物系かァ?」
『知らん! お前の能力もさっぱり分からん。はあ、はあ……ヒラヒラさせやがって畜生め』
再生しながら声を荒げるマルーを見てニヤニヤしながらディアマンテが考察を続ける。増殖で疲れたのか息が切れかかってもいるようだ。
「アメーバになれる能力……だとしたら痛めつけても無駄だな。増殖の限界まで殺し続けるのは面倒だ」
そう言うと、ディアマンテはマントを外しながらマルーに近付いた。
『……ッ待て、何するつもりだやめ』
完全に身体を元に戻したマルーを掴み上げ、抵抗する隙も与えずマントで包むと出口を塞ぐように手で縛った。
『………?! ……!!』
内側でモゾモゾと激しく動いている気配がするのをディアマンテは愉快そうに眺める。
「鋼鉄のマントだ。アメーバにゃ脱出は無理だろ」
言いながら、マルーを片手にどこかへと歩き出す。
『……!! ………!』
完全に閉じ込められたマルーは、くぐもった声でただただ訴えかけることしかできなかった。









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