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【OP】さよなら、My Dear

第4章 友の訃報


青い空。青い海。そこそこ良い波。
出帆にはぴったりの晴れ模様に、マルーは元気よく貨客船に乗り込んだ。
『待ってろよ……ドレスローザ』
これから殺しに行ってやる。
マルーは目を鋭く細めながらドフラミンゴの手配書を握り潰した。
「ではマルー中佐、道中はくれぐれも気を付けるように」
忙しいなか見送りに出てくれたのはマルーの上官であるTボーン大佐だった。
ドンキホーテファミリーが現在統治しているというドレスローザへ行くために、マルーは観光を装って事前に休みを申請していた。申請を受理する係の中将はあまり良い顔をしてくれなかったが、海軍に所属してから初めて長期の休みを願ったマルーを見兼ねてTボーン大佐がなんとか希望を通してくれたのだ。
「楽しんできなさい。だが、どこに行こうとお前は立派な海兵だ。旅先で何があっても海軍中佐に相応しい振る舞いを忘れないように」
休暇にかまけて不善を野放しにするな、ということだろう。弱きを守り悪を許さないTボーンの信念が好きなマルーは素直に頷いた。
『わかりました、Tボーン大佐。行ってきます!』
出港し、小さくなっていく人影に手を振りながらマルーは聳え立つ海軍本部を見上げた。
『休み期間中に戻れるといいな……』
なんだかんだ情報を集めているうちに、ロシナンテの死を知ってから1年も経ってしまっていた。
スパイとして潜入している際中ロシナンテは独断でファミリーを離れ、その半年後に死亡した。殺害された現場のミニオン島に当時ドンキホーテファミリーも上陸していたと記録されている中将つるの報告書も件の資料に挟まれていた。
今や王下七武海の1角を担っているドンキホーテ・ドフラミンゴ。ロシナンテの実の兄だそうだが、盗み見た資料から推察するにロシナンテの殺害に関わっている可能性が十分にある。
ミニオン島を拠点にしていた海賊団に襲われたか?
海兵であることがバレてファミリーに追われ始末されたか?
ミニオン島の海賊団はロシナンテの遺体が発見された日に壊滅したとあった。誰が壊滅させたかと考えればそれは同日に島に上陸していたドンキホーテファミリーくらいだろう。
弟を殺された仕返しに海賊団を潰した……と考えるのが妥当だが、それはそれで違和感がある。
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