• テキストサイズ

【OP】さよなら、My Dear

第4章 友の訃報


虚空に謝ることで少し罪悪感を減らしたマルーは、さっそく資料に目を通した。
ロシナンテについての情報を掻い摘まむとドンキホーテファミリーという海賊団の幹部として潜伏していたが、最終的にミニオン島で何者かに殺されたということらしい。
雪の中、血まみれのロシナンテが見慣れぬ服装で横たわっている画像が貼られていた。
久しぶりに見られた姿が死に様だなんて、と悔しくなりマルーは涙を滲ませた。
この写真が撮られた時点ですでに死んでいたのだろうか? やけに安らかな顔をしている。
気にはなったものの、涙が紙に落ちないよう拭いながら手早くファイルを箱にしまい、棚の元の位置に戻した。
いつも通り誰にも気付かれないように通路まで出て、何事もなかったかのようにマルーは自分の部屋まで戻る。
欲しかった情報は手帳に書き写せたし、もう立ち入り禁止の資料室に入ることはないだろう。
探している期間中、誰にも見つからなくてよかった。元から人の出入りが少ないうえに薄暗くて隠れやすい場所だから、よほどタイミングが悪くない限りは最悪な状況になりそうもないことも幸いだった。
これからは普通の許可を得て、一般海兵でも閲覧できる方の資料室でドンキホーテファミリーについて調べてみるか。
ずっと資料探しに難航していてどうなることかと思ったが、ようやくスタートラインに立てた気分だ。
ご機嫌な調子でマルーは手帳を大事にしまいこみ、購買で手に入れたタバコを持って久しぶりにマリンフォード内の共同墓地まで向かった。









/ 103ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp