第15章 放課後の寄り道
「──でね、一回だけだけど私もゴール決められたんだ!」
私たちは店内で、今日学校であった事を話していた。鳥束くんとはクラスが違うからか、これが案外盛り上がる。
気づけば結構話し込んでいた。
頼んだチョコケーキがとても美味しくて、お腹がすいていたのもあり私はぱくぱくと早いペースで食べていた。
鳥束くんから、
「美味そうに食べますねぇ」
なんて言われてしまい、少し恥ずかしかった。
ケーキの最後の一口を食べたところで会話に区切りがつき、私たちの間に沈黙が流れる。
静かな時間も心地よかったけれど、ふと思いついた事を口にしてみる事にした。
「そういえば鳥束くん、こんな素敵なカフェ知ってたんだね」
「あぁ、それは……」
へにゃりと柔らかく笑う鳥束くん。
「名前さんと来たい店を色々探してる時に見つけたんスよ。他にも行きたい店あるんで、いつか行きましょ!」
その笑顔を見て、胸が暖かくなるのが分かった。
自惚れているというか、私に都合のいいように捉えているのかもしれないけど。鳥束くんにとって、私は大切な人間なのかな、なんて思って、幸せが込み上げてくる。
だからだろうか。
「……好き」
つい、口を滑らせてしまった。