第10章 彼女曰く、悪夢は二日連続で見るらしい
「お泊まり会って事!?」
名前さんは顔を輝かせる。
「零太くんがいたら心強いな」
この人、ちょっとは下心を疑うとかないのか?ㅤ純粋すぎる名前さんが心配だ。
いや、俺には断じて下心なんてない。強いて言えば寝顔を見たいだけっスよ!
心の中で弁解をする。
『弁解なんてしている時点で十分怪しい』と言う俺の中の天使は無視した。
とにかく、名前さんの事を心配しているのも、役に立ちたいのも本心だ。
まぁ、名前さんの返事を聞かない事には始まらない。
俺は彼女が何か言うのを待っていた。
数歩歩いてから、名前さんが口を開く。
「えっと、じゃあ……よろしくお願いします!」