第8章 せっかくならバンダナをつけてみよう
二時間目終わりの休憩時間。
ちょっとした非日常にも大分慣れてきた。
家に帰ったら自撮りしようかな。記念に写真を残しておこう。
こんな珍しい事中々起きないだろうし、零太くんに見せびらかす事にした。
私は椅子から立ち上がり+組へ移動する。
+組の扉の前でうろちょろしていると、私に気がついた+組の生徒さんが、
「鳥束の彼女が来てるぞー」
と教室の中に呼びかけた。
途端に頬が熱くなる。
認知されてたんだな私……。
+組の生徒さんたちから、私は『鳥束零太の彼女』という認識をされているのだろうか。
確かに、零太くんを呼びに+組まで行った事は何度もある。顔を覚えられていても不思議ではない。
「名前さーん!ㅤって何スかその髪!?」
「分かんない……」
零太くんにじっと見つめられる。何だか照れくさい。
「何か、俺に似てますね」
「へ?」