第8章 せっかくならバンダナをつけてみよう
「あれ?ㅤ苗字さんイメチェン?」
「あーまぁ、そんなところかな……?」
まさか、突然変わっていたなんて言えないだろう。
私は、曖昧に返事をする。
机の横にカバンを引っ掛けて、椅子に座った。
何か……余裕で教室まで行けたな……。
教室に到着するまでに何人か先生とすれ違ったけれど、普通に挨拶をしただけで特に注意されたりはしなかった。
そして、今。
多少驚かれはしたけれど、それくらいだ。
なんなら、色の変化が話の種になっているまである。
これなら何とか今日一日を過ごす事が出来そうだ。良かった良かった。
ほっとしたところで予鈴が鳴った。
先生が教室に入ってくる。
いっ今先生と目が合った気が……。
少しひやりとしたけれど、何事もなくホームルームが終わった。
ここまで来ると逆に謎だ。
何で注意されないんだろう?
そんな疑問を抱きつつ、私は一時間目の授業の教科書を出した。