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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第7章 せめて、この痕がある間は


「お邪魔しまーす」

和テイストの家が珍しいのか、名前さんはキョロキョロと辺りを見渡している。可愛い。

いつ名前さんが家に来てもいいように、オシャレにした俺の部屋。

そのモテ部屋についに、想い人である彼女が来るのだ。

内心の興奮を悟られないように、俺は家を案内する。

「ここが俺の部屋っスね!」

部屋を見た名前さんは、おお、という顔をした。

これは、結構好感触じゃないか!?

「……男の子の部屋に来るの、初めてだな。何か、今になって恥ずかしくなっちゃったかも」

「は」

つい声が出てしまった。

確かに意識してもらいたいとは考えていたが、ここまでの事を言われるとは思っていなかった。

名前さんは頬を染めて、そわそわとしている。

……俺は、名前さんには勝てない気がする。
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