第7章 せめて、この痕がある間は
「ここからなら俺ん家が近いっスけど……」
「じゃあそれで!」
……マジで!?
えっ、本当にいいんスか名前さん?
勉強会とはいえ、男の家にあがるなんて。
……だが、これはチャンスかもしれない。
名前さんは、俺がアプローチをしても全く気づかない鈍感な人だ。
しかし……もしかしたら家に行く事で、意識してもらえるかもしれない。
勉強をしなくてはいけないのがネックではあるが、まあそれは何とかしよう。
「提出物の内容出たし、私はそれやろっかなー」
そんな事を言っている名前さんを尻目に、俺は決意した。
せめて少しでも、意識してもらえるように頑張るんだ……!