第1章 Ψ高の文化祭
「ってことは、本当なんだね!?」
名前さんの表情が輝いている。
可愛らしいが、そうさせている理由を知っている身からすると癒されない。
この世には残念なイケメンという言葉があるが、それの女版は名前さんのことなんじゃないだろうか。
「巛組は石を展示するんでしたっけ?」
名前さんは、俺の腕を掴んでいた手を離す。
開放された俺は、下駄箱へ向けて歩き出した。
名前さんは、そんな俺の後をついてくる。
「そうそう、石を探さなきゃいけないんだよね……見つかるかなぁ」
「当日までになんとか見つかるんじゃないスか?」
「だといいな」
あはは、と名前さんは笑う。