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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第5章 優しさに触れ


ドアを開けると、そこには照橋さんと夢原さんがいた。

「あ、苗字さん!」

照橋さんが声をかけてくれる。可愛い。

「あれ?ㅤそんな服着てたっけ?」

「ああ、これは……。ふふ、内緒、かな」

最初に会ったぶりの夢原さんが首を傾げる。

内緒の言葉が、何だか擽ったくて。

私は、顔を綻ばせた。



バスの前には、多くの生徒がひしめき合っていた。

PK学園の二年生だけで、こんなにいるんだなぁ。

どれが何組のバスなのかを推理する事は頑張れば出来そうだけれど、それが出来たところでこんなに人がいたら、一人の生徒を見つけるのは難しいだろう。

私にしては早く着替え終わったから、もしかしたらバスの前が空いているかと思ったんだけれど、甘かったようだ。

辺りを軽く見てみるものの、鳥束くんらしき人は見つからなかった。

これは、今探すのは諦めた方がいいかもしれない。
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