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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第33章 デカめのプレゼントボックスには気をつけた方がいい


今日は家に家族がいる。
家の中に突然私の友人が出現するのはおかしすぎるため、家から追い出す事が出来ない。というか、鳥束がいる事がバレるのがマズい。
取りあえず会話でもするかと、私はベッドに腰掛けて、会話する姿勢を作った。

「今って十一月でしょ、クリスマスにはまだ早くない?」

「あー、それは……もし名前さんに先約があったら家にいなくて会えなかったかもしれないんで──俺が先約になればいいのか!? 名前さん、俺と一緒にクリスマスを過ごしましょう!」

「こんな登場の仕方しといて、『うん過ごそう』とはならないよね!?」

私がそう叫んだ時だった。隣の部屋の扉が開く音がする。ひっ弟か!? 鳥束がいる事がバレるのはマズい……!

「お、弟来るかも! 隠れてて!」

私は勢いよく立ち上がり、さっきまで腰掛けていたベッドの毛布を捲った。鳥束は玄関から入った訳ではない自分がいる事の異常さに気づいたのか、素直に指示に従ってくれた。

頭まですっぽり毛布を被り、ベッドに隠れる鳥束。人がいるから毛布がこんもりしているけど、仕方がない。上手く誤魔化さなければ……。

何でこんな修学旅行のような事をしているのかと一瞬冷静になりかけたが、今はそんな事を考えている余裕はない。

弟はノックもせずに扉を開けてくる。あっぶな! あと少しでも行動が遅れていたら、多分バレていた。

「姉ちゃん、うるさいんだけど」

「あー、ごめん、電話してた」

心臓がバクバクいっているが、それにしては良い言い訳を思いつけたのではないだろうか。

「ふーん」

納得したのか弟は扉を閉めようとして──しかし、私の部屋の中に視線を向け、首を傾げた。

「ベッド、何か盛り上がってね?」

「…………」
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