第27章 混浴は恋人の必須イベント
やっとボディソープが流れ切ったらしく、零太くんはお湯を止めた。
零太くんのお願いを聞くためでもあるが、私としては汗を流すためにお風呂に入っている。だから、シャンプーやリンスまではしなくてもいいだろう。
軽く濡らすくらいにしようか、どうせ夜も入るのだし──。
そう考えていると、突然髪を退かされて項をさらけ出された。
「え、なに? どうしたの?」
私の質問には答えず、零太くんは私の項に唇を落とした。彼の唇は項から下に降りてきて、ちゅ、ちゅ、と音を立てて、彼はキスをしていく。
「……名前さん」
唇を離したかと思ったら、次は背筋を舌でなぞられた。
「えっ!? れいた、く……ぁ」
私の声は嬌声に変わってしまい、びくりと身体を震わせる。快感が駆け巡り、むわっとした浴室のせいで頭がくらくらしてしまう。
このままじゃやばい、流される……!
頭の中では分かってるのに、上手く身体が動かない。
零太くんの手がタオルの隙間から侵入した。
私の胸を、形を確かめるかのように撫でる。
上手く動かない身体を、それでもどうにか動かして、私は零太くんの手を掴んだ。
「……こ、こういう事するなんて言ってないよね?」
私は振り返りながらそう言う。
「…………ハイ」
零太くんはすっと目を閉じて、銃を向けられた時にするあのポーズをした。
その隙に私は湯船に浸かり、三角座りをした。
「う……すみません、やりすぎました」
零太くんはしゅんとした顔をしており、そんな彼に対して私は、
「……お湯、浸からないの?」
と聞く。
「……! 浸かります!」
零太くんは顔を輝かせ、私と向かい合わせになるように湯船に浸かった。