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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第26章 この時期毎年崖っぷち


「あ、斉木くん正解! 名前出してないのによく分かったね」

苗字はそう答え、絵の男の子──鳥束零太だ──に向かって指を指した。

「鳥束ぁ? ……ああ、アイツか」

鳥束と面識があるらしい窪谷須がぽつりと呟く。

「……苗字、お前の絵日記、大体鳥束がいるんだが……」

パラパラと絵日記を捲る海堂の手元を見て、窪谷須が言う。

彼女の絵日記には、友達と称して、鳥束らしき男の子が登場する事が多かった。
勿論、同じクラスの同性の友達と遊びに行っている事を書いている日もある。
だが、それと負けない位の頻度で鳥束が彼女の絵日記に登場していた。

「あー、やめだやめ! 苗字の絵日記はキーワードに使えねぇ」

「ええっ何で!?」

窪谷須の言葉に、苗字は納得出来ずに声を上げる。

「お前の絵日記を読んでいると、どうしてもアイツがチラつくからな……」

鳥束と窪谷須は性格が合わないのだろうか。それも分かる気がする。
納得出来てしまった苗字は、
「あー……」
と声を漏らし、うんうんと頷いた。

気を取り直し、苗字は自身の出来る範囲で手伝う事にした。

「じゃあ、私はキーワードをどう組み合わせるのか考える事にするよ! 八月三日はどうする!?」
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