• テキストサイズ

【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第26章 この時期毎年崖っぷち


「もう斉木様しか頼れません! どうか私を助けてくださいッ!」

自身の目の前にいる斉木楠雄に対して、苗字名前は九十度のお辞儀をした。

「宿題を写させてください!」

そのままの姿勢で、ここに来た理由を告げる。
ちらりと斉木の様子を伺うと、彼は玄関の扉を閉めようとしていた。

「待って待って! これ! これで何とか!」

苗字は、慌てて鞄の中に入れていたコーヒーゼリーの箱を取り出し、斉木に差し出す。
苗字は、斉木がコーヒーゼリーが好きな事を知っていた。
これを渡せば、斉木は宿題を写させてくれるのでは? そう考えた苗字は、斉木の家に行く道すがら、コーヒーゼリーを買っていたのだ。

ドラマに出てくる、賄賂を渡す悪い人はこんな気持ちなのかな、なんて頭の片隅で考えていると、斉木は差し出されたコーヒーゼリーを受け取り、
『…………入れ』
苗字を家に上げる許可をくれた。

(良かった、これで多分何とかなる……!)

内心ガッツポーズをした苗字は、
「お邪魔しまーす!」
と言いながら、斉木家に足を踏み入れた。
/ 215ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp