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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第26章 この時期毎年崖っぷち


長期休暇の宿題。それは、学生とは切っても切り離せないものだ。
長期休暇があれば宿題がある。そして、その宿題を溜めてしまう学生は、どこにでもいるものであり──。

PK学園に通う二年生、苗字名前もその一人だった。
いや、言い訳をさせてもらうと、彼女は全ての宿題を溜めていたわけではない。というより、ほとんど全てを終わらせている。

ならば、何を溜めてしまったのか? 何故溜めてしまったのか?

──英語だ。小学生の頃にふんわりと教わり、中学校に入ると本格的に教わるアレである。

苗字名前は、英語が苦手だった。高校と比べればテストの難易度が優しい中学校でさえ、いつもギリギリ平均点に届かないレベルである。

そんな彼女は、夏休みの宿題のうち、英語の宿題をするのをとにかく嫌がった。
まだ大丈夫、まだ大丈夫……それを繰り返しているうちに、いつの間にか──そう、八月三十一日。夏休み最終日を迎えていた。

え? ヤバくない? 彼女はそう思った。
どうやら、宿題をやらないという選択を取り続けた自分は、とんでもない状況を生んでしまったらしい。

そして、次にこう考えた。どうすればいいのか? と──。

思案する事数分。彼女は結論を出した。それは──。


「もう斉木様しか頼れません! どうか私を助けてくださいッ!」


そうだ、写させてもらおう──!
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