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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第24章 増えればいいってもんじゃない


二人の鳥束くんに横に並んでもらい、私は彼らの正面に立つ。

私の超能力は、ジェスチャーをすると、その動きが対象に反映されるというモノだ。
この能力のお陰で、私は一歩も動かずにカーテンを閉める事が出来る。他にも、どんなに硬い瓶の蓋でも、開ける動きをするだけで蓋が開いたり──。便利な能力である。

つまり。合体してほしいなぁと思いながらパンと手のひらを合わせる事によって、分裂した鳥束くんが元通り一人になるんじゃないだろうか、と!

「……自分で提案しててナンですけど、不安しかねーっスわ」

「よーし、行くよ!」

「「話聞くくらいしてくださいよ!」」

またシンクロしてるなぁ、なんて思いながら、私は深呼吸をした。
分裂した鳥束くんを元の一人に戻すイメージを思い浮かべる。


──パンッ


私が手を叩いた音が、リビングに響いた。

その瞬間、鳥束くんを中心に眩い光が発生し、それは彼らを包み込んだ。ぶわっと風が吹き、私の髪を揺らす。
あまりの眩しさに目を細めていると、しばらくして光は止んだ。
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