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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第24章 増えればいいってもんじゃない


中身のない、ふんわりとしている彼の提案を聞き流そうとして、
「……ん?」
私の頭に、閃きのようなものが降りてきた。気がする。

「名前さん?」

鳥束くんが私の様子を伺うように、私の顔を覗き込んできた。もう一人の鳥束くんは変わらずソファに沈んでいる。

「それだ──!」

「うわっびっくりした! どーしたんすか急に!」

唐突に立ち上がった私にぶつからないように慌てて私から離れた鳥束くんが何やら喋っているが、私はそれを無視して己の天才的な考えを彼に伝える事にした。

「それだよ鳥束くん!」

「……と言うと?」

「私の超能力で、鳥束くんが元に戻るか試してみよう!」
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