第24章 増えればいいってもんじゃない
「……どうしてそわそわしてるの?」
「い、いやぁ、女子の家来たの初めてなんで……」
急に実感が湧いてきたらしい。鳥束くんは落ち着きがなく、目線が定まっていない。
「……名前さんの部屋行っていいっスか?」
「ダメ」
何だか鳥束くんを部屋に連れて行ってはいけない気がして、私は彼の質問に被せるようにして答えた。
「「名前さんのケチ!」」
「二人揃って叫ばないで!!!」
鳥束二人に苗字一人。
三人でゲームが出来る事に気づき、一人NPCを入れた状態でパーティーゲームをしていた私たちだが、三周もしたら流石に飽きる。
「名前さぁん……」
「なぁに、鳥束くん……」
斉木くんと鳥束くんが私の家に来てから、既に四時間が経過していた。そりゃあ、力の抜けた声にもなる。
「何かこう、名前さんの能力で元に戻ったりしねぇっスかねぇ」