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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第2章 日直の相方がいないだけで難易度が跳ね上がる


ガラッと音を立てながら、教室の扉を開く。

チャイムが鳴るギリギリだから、流石に座っている人の方が多い。

この雰囲気の中立ってるのって、何だか居心地が悪いな。

さっさと座ろう。

私が椅子に座ったタイミングで、隣の席の子が話しかけてきた。

「私、さっきの見ちゃったんだけど」

「さっきのって?」

「ほら、その……転校生の子と走ってたところよ」

「…………」

何も言えずに、私はそっぽを向いた。

確かに事実なんだけれど、この流れで何をどう言えばいいのかが分からない。

でも、流石に何も言わないのは良くない気がする。何か怪しいし。

「ダンボール運ぶの手伝ってもらっただけだよ」

「絶対それだけじゃないでしょ!?ㅤ後で色々聞くからね!」

ああこれ、逃げられないやつだ。

次の休み時間の事を想像して、私はため息を吐いた。
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