第2章 日直の相方がいないだけで難易度が跳ね上がる
私たち二人は、手を繋いだまま長い廊下を駆け抜けた。
今の状況は、昔読んだ物語のようで。
この時間がずっと続いてほしい、なんて──そんな事を思ってしまう。
国語準備室は、私たちの教室がある場所よりも離れた所にあるから、結構距離がある。
だからわりと長い時間走っていたはずだけれど、体感としてはあっという間だった。
教室の前に到着すると、繋いだ手が離された。
少し、寂しい。
「な……何とか間に合いましたね!」
息を切らせつつそう言う鳥束くんの姿は、私にはとても眩しく見えた。
「手伝ってくれてありがとう」
もう少しでチャイムが鳴ってしまうから、あまりもたもたしていられない。
私たちは、それぞれの教室に入った。