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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第24章 増えればいいってもんじゃない


「……どういう事?」

『同じ超能力者のよしみだろう? 助け合いだとは苗字が言っていたじゃないか』

「スルーしたよね今!? ねぇ!」

……というか、斉木くんが超能力者同士を理由に喋っている時点でもう怖い。普段こんな事言わないじゃん!

私が、私も超能力者なんだから色々協力しようよ、と絡みに行ったら毎回無視するか嫌そうな顔をするかの二択だった。それが急にこんな事を言い出すなんて、何か良くない事に決まってる……!
やっと頼ってくれたとも言えるんだけど、斉木くんの纏う雰囲気が、私にこれは面倒事だと教えてるんだよな……。

「私忙しいから、他を当たって──」

『夏休みの最終日』

「何時間でもゆっくりしてってください」

斉木くんが詳細を喋るよりも先に私は声を上げた。

そう、あれは夏休み最終日──。
あまりにもやりたくなくてギリギリまで苦手科目である英語の宿題を放置していたところ、まあ当然ヤバい事になってしまい、窪谷須くんらと共に私は斉木くんに宿題を写させてほしいと頼んだのだ。
あれは〈借り〉な訳だから、それを出されては……取りあえず家に入れるしかないよね……。
写した事をバラされでもしたらコトだし。

かくして、私は面倒事に巻き込まれるのであった。
嗚呼、私の平穏な休日よ……さようなら……。
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