第24章 増えればいいってもんじゃない
今日は休日。
同じクラスであるキャラが濃ゆい巛組の友達たちとの日々は楽しいが、勉強も大変なため学校に行くと段々疲れてくる。そんな疲れを癒せるのが休日だ。
親が仕事中で、家には私しかいない。何も物音がしないのは寂しいため、私はテレビをつけながら本を読んでいた。
ページを捲る音とバラエティ番組の流れる音だけがリビングに存在する中、インターホンの音が鳴った。
宅配、何か届くっけ? 特に何も言われてなかった気がするけど。
本に栞を挟み机の上に置き、私はモニターを見に行った。
「……斉木くん」
ほんの少し画質の悪いモニターには、斉木くんがうつっていた。画質が悪くても彼のピンク頭は目立つ。分かりやすいのは良い事だね。
彼が私の家に来るなんて珍しいな。というか初めてかも。
私はモニターの下にあるボタンを押して、お互いの声が届くようにした。
「はーい」
『開けてくれ』
「はーい」
私、同じ事しか言ってないけど……まあいいでしょ。
パタパタと小走りで玄関まで向かい、扉を開けた。
『大声を上げるなよ』
「え、何が?」
斉木くんは私の疑問には答えず、横にずれた。
代わりに、モニターでは入らなかった位置から誰かが出てくる。
「はっ!?」
私の目の前にあるのは信じられない光景。
何とか大声を出すのだけは堪えられた。偉い。
いや……何これ。意味分からないって!
──鳥束零太が、二人いる。